ssig33
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Fujiwara Tech Conference にいってきました+LT発表してきました
「継続的負荷検証」というタイトルでmirage-ecs(厳密にはfujiwara wareではない)の活用事例について発表しました。資料は公表しません。資料の順番通りに喋る発表スタイルではなかったので。後日ブログ記事にして会社のほうから出します。
どういうイベントだったかは https://sfujiwara.hatenablog.com/entry/fujiwara-tech-conf-2025 fujiwaraさんの記事を見てください。
非常に感銘をうけたことが二つあったのでそれについてここでは書いておこうと思います。
SIGMA fp
fujiwaraさんが「収まりがよくて」「手触りがよくて」「高性能」なものが好きだという話をしていて、その代表してSIGMA fpを挙げていた。おれもSIGMA fpは好きで一時期もっていた。「収まりがよくて」「高性能」だとは思うが手触りがよいかというと、正直あまり同意はしない。ただ、これこそfujiwaraさんの哲学なのだろうと思った。多少の無理をきかせて収まりよく詰め込んだ結果、軽量だし、「慣れてしまえば」どうにかなる、というカメラだったと思う。「慣れてしまえば」小型軽量でありあの性能にたいしてたしかに手触りもよくなるのかもしれない。
どうも製品開発、ツール開発などで「無理しない自然な設計」みたいなものを人はうっかり好んでしまいがちなのだけど、「そうじゃねえんだぞ、本当の手触りってのは長く使ってきたときに出てくるものだ」というfujiwaraさんのメッセージではないかと感じた。
カヤックのこと
多くの発表者が語っていたfujiwara wareの魅力は
- ほどよい責任分界点、機能のまとめかた。「よく分かっている人」が「ある程度分かっている人」のためにすっきりと作られたものであること。
- このへんは「SIGMA fp」の話かな
- 普遍的であること
であったと思う。fujiwara wareは個人が自分のために作ったものでありながら、Webアプリケーションの運用において普遍的な魅力をもっている。このあたり、macopyさんの発表でもちらっと触れられていたが、それはカヤックという会社が、これまでの時代において普遍的な開発をして普遍的な課題を持ち得る環境であった、ということを示していたと思う。
若い人からしたらなんじゃそりゃ、ってなるかもしれない話だが、20年近く前からのある程度の期間において、日本のWebアプリケーション開発と運用の知識の進歩の最前線はソシャゲと共にあったし、カヤックはその最先端にあった。ただし各社の運用知識は、勉強会や個人的な人脈を通じてある程度共有されつつも、普遍的なツールとして整理されることは(あまり)なかった。
fujiwaraさんはそうした風潮の偉大な例外だと思っていて、自らの経験と知識を普遍的なツールとして提供し、提供し続けてきた。
そしてカヤックはすべてのソシャゲの提供を終了し、fujiwaraさんは会社を去ることとなった。そこになにかの関連性があるのか知る由もない(発表の場でも喋ったが、ぼくはあの場において「主催者の友達」というだけのアウトサイダーなので)が、ここに一つの時代が終わったのだ、と感じた。
ソシャゲが最先端だった時代はあのイベントをもって歴史となり、そして忘れ去られていく。
こういうタイミングでの開催になったことは本当に偶然だったらしいのだけど、すごい偶然があるものだ、と感じた。
ソシャゲの時代、結局のところ、日本の技術コミュニティは普遍性のComsumerでありProviderではなかった。だが、fujiwaraさんという偉大な例外がいた。彼が今後どこでどのような仕事をしていくのかは(今のところ)公表されてはいないのだけど、より普遍的な仕事をしていくのではないかと期待しているし、今後も存分にその成果にあやかってやろうと思っている(という白々しい文章で締めておく)。